『ザ・クレイジーズ/細菌兵器の恐怖』は、ジョージ・A・ロメロ監督の作品ですが、厳密にいうとゾンビ映画ではありません。
邦題にある通り、細菌兵器をめぐるパニックホラー映画です。
原題は、”The Crazies, The Crazies/Code Name: TRIXI”といいます。
トリクシーという最近兵器を積んだ軍用機がエバンスシティという田舎町で墜落、水道を伝って人々の口に入ってしまう。
その細菌兵器が体に入ると、凶暴化してしまうのだ。
システムは、ゾンビとほぼ同様です。
制圧にかかる軍に抵抗して撃たれたり、逃げている最中に凶暴化（発症）してしまったりと、とにかく人が死んでいきます。
その細菌兵器は、ウイルスなので感染もしていきます。
もう、逃げ場なし。
銃なんて撃ちまくり、撃たれまくりです。
1973年に作られたこの映画。
『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』後、『ゾンビ』前の作品です。
ロメロ監督自身もエバンスシティの市長役で出演されています。
ロメロ監督の作品は時代へのメッセージを感じるのですが、やはりベトナム戦争のことが頭をよぎりました。そして、今もなお続いている戦争のことも考えました。
戦争だからって、何をやってもいいもんじゃないぞ。
そして、ウイルスと人間の戦いは今もなお続いていますが、見えないものに対する恐怖は今も昔も同じなんだなと思いました。
ゾンビは目に見えるだけ、ちょっとましなのかもしれません。
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