ゾンビ×ミュージカル
- ゾンビフェススタッフ
- 2020年9月10日
- 読了時間: 2分
更新日:2020年9月14日
ゾンビ・ミュージカル映画といえば、日本でも昨年上映された「アナと世界の終わり」という映画が耳に新しいのではないでしょうか。
原題は「ANA AND THE APOCALYPSE」。
apocalypse を辞書で調べたら、黙示録という意味が一番に出てきます。
theをつけることで「世の終末」という意味になるそうです。
女子高生のアナが主人公。
父親とのちょっとした確執に悩み、幼馴染のジョンに相談し、元彼の粗暴さに呆れ・・・なんてことない高校生活だったはずが、ゾンビウィルスの蔓延によって一変してしまう。
歌い、戦う映画です。
アナが歌い、スキップしながら通学する後ろで、ゾンビが人を襲っている。
その対比だけでも、ゾンビがミュージカルに存在する意味が、じわじわ伝わってきます。
この映画は、エンドロールが流れてから最後のワンシーンまで見逃せません。
全体的にクリスマスシーズンならではのポップな色合いも、ゾンビのグロテスクさ、いわば魅力を際立たせています。
気になったシーンが一つ。
ゾンビから逃げている途中、あるおばあちゃんが心臓発作で死んでしまったのですが、
ようやく会えた家族が「ゾンビじゃなくてよかった」と言うシーンがあります。
ゾンビになるより、普通に死んだほうがいい。
死という究極の形も飛び越えてしまうゾンビという存在。
削ってしまってもストーリーが成立するそのシーンで何を伝えたいのか。
考えるポイントが散りばめられている映画です。
エンドロールに「ライアン・W・マクヘンリーを偲んで」という一文が出てきます。
ライアンさんは、脚本にクレジットされているのですが、2015年に逝去されています。
元々はこの作品は、ライアンさんが「Zombie Musical」という2012年に製作した短編映画でした。
今も、ライアンさんのYouTubeチャンネルで見ることができます。
ライアンさんは「いつか長編を・・・」という思いでVineで動画を作成し続け、2013年「Ryan Gosling Won’t Eat His Cereal」シリーズが大当たりし、いよいよ!という時に病気が見つかり、お亡くなりになってしまいました。
その後、時を経て、周りの人たちの思いによって作り上げられたのがこの映画。
そこにもう一つのドラマがあったんですね。
思わずジーーンとしてしまいました。
ゾンビとミュージカルの組み合わせは絶妙です。
N極とS極が引かれ合う。
そんな感じでしょうか。
ミュージカルがお好きでもお嫌いでも、ぜひ観て欲しい映画です。
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