南米、アルゼンチン、ウルグアイで製作されたゾンビ映画『VIRUS/ウィルス:32』
この映画は、別居中の夫が、娘を預かって欲しいと、主人公、ファンキーなママのもとにやってくるところから始まります。
なんと言っても、この映画の魅力の1つは、冒頭、ワンショット長回しから始まります。
タイトルが出るまで、およそ9分に及ぶ長回しです。
一連で、街で生活する人々の生活が映し出され、
至って平和な様子を、一連の長回しで映していきます。
そして、段々ショットが空撮になり、建物全体、街全体へと、ロングショットになっていきます。
タイトなショットから、ロングになり、街が全体に引いて行くと、この街でこれから起こることの不穏さが漂ってます。
とても巧みなカメラワークによる一連の長回しが映画の世界へと入り込ませてくれます。
ちなみに、途中、ゾンビから逃げ隠れするシーンでも、ワンショット長回しが使われ、緊張感を増幅させています。
最近は、色んなスピードのゾンビがいますが、この作品のゾンビも、スピードの速いゾンビです。
また、ロッカーの中に人が隠れていないかなど、人を探すという能力も持っています。
なんと、監視カメラで見て、場所を特定するゾンビまでいます。
そして、この作品ならではのゾンビの特徴は、タイトルにもある32。
ゾンビが捕食後、32秒止まるという特徴があります。
物語としては、娘を預かった主人公のママが、夜勤の仕事があるので、職場に娘を連れていき、そこで、ゾンビの襲撃に合い、建物内で生き別れてしまうというストーリー。
とある父を通し、子を思うことが背水の陣の状況で、狂気にさらされた時、
親は子をどう思うか。
親子の愛を、ある意味、狂気的に描かれています。
そして、この作品は、一貫して水が描かれています。
水は、生命の源ということなのか、水が「命」ということを表しているのか。
水が、この作品のポイントの1つでもあります。
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